「問い合わせへの返信に時間がかかる」「同じ質問が何度も届くので、FAQを整えたい」と感じていませんか。ChatGPTを使うと、問い合わせ内容を整理し、返信文の下書きやFAQのたたき台を短時間で作れます。
ただし、AIが作った文章をそのまま送るのはおすすめしません。料金、納期、在庫、契約条件、返品可否などに誤りがあれば、相手に迷惑をかける可能性があります。個人情報や社外秘の内容を必要以上に入力しないことも大切です。
この記事では、ChatGPTを「自動送信する仕組み」ではなく、人が確認して送るための下書き作成・FAQ整理の道具として使う方法を解説します。一般的なメール文の作り方から知りたい場合は、ChatGPTでメール文章を作る方法も先に確認してください。
ChatGPTで問い合わせ返信・FAQは作れる?
結論からいえば、作れます。ChatGPTは、問い合わせ文から要点を抜き出す、丁寧な文章に言い換える、回答に必要な確認事項を洗い出す、似た質問をまとめてFAQの形式にする、といった作業が得意です。
一方で、ChatGPTはあなたの会社・店舗の最新ルール、実際の在庫、個別の取引状況を自動で知っているわけではありません。回答内容が正しいか、どの情報を相手に伝えてよいかは、必ず人が確認します。
ChatGPTが向く作業
- 問い合わせの要点を「質問・確認事項・返答期限」に分ける
- 返信文のたたき台を、丁寧・簡潔・やわらかい表現で作る
- 同じ意味の質問をまとめ、FAQの候補を出す
- 回答に不足している情報や、確認すべき担当者を洗い出す
- FAQの見出し、回答文、注意書きの形式をそろえる
AIに任せない判断
次の内容は、ChatGPTに最終判断を任せず、担当者や責任者が確認してください。
| AIが下書きを作りやすいこと | 人が確認・判断すること |
|---|---|
| 問い合わせ文の要約、返信案の言い換え | 料金・在庫・納期・契約・返金・規約の正確性 |
| FAQの候補抽出、カテゴリ分け | 個別顧客への例外対応、補償、値引き、約束 |
| 確認質問のリスト化 | 個人情報・機密情報を渡してよいか |
| 文章のトーン調整 | 送信先・添付物・宛名・公開範囲 |
「返信文を作る」ことと「会社として約束する」ことは別です。この線引きを最初に決めると、ChatGPTを安心して使いやすくなります。
まずは「下書き → 事実確認 → 人が送る」で進める
SkillForgeでは、問い合わせ対応をChatGPTに任せる時は、次の3段階を基本にします。
- 下書きを作る:問い合わせの要点と、伝えたい事実をもとに返信案を作る
- 事実を確認する:料金・日付・在庫・規約・相手の情報を、元資料や担当者へ確認する
- 人が送る:宛名、添付、送信先、最終文面を確認してから人が送信する
この順番なら、ChatGPTの文章作成の速さを生かしながら、誤案内や誤送信のリスクを下げられます。最初から「お客様に返事をして」と丸投げするのではなく、「この条件で返信案だけを作って」と頼むのがポイントです。

1. 下書きを作る
最初に、問い合わせの全文をそのまま貼る必要はありません。質問の要点、こちらが確認できた事実、答えられない点だけを短く整理します。相手の氏名、電話番号、住所、注文番号などは、必要がなければ削除または仮の表記に置き換えましょう。
2. 事実を確認する
返信案が出たら、本文に書かれた数字・日付・商品名・条件を元の情報と照合します。AIが自然な文章を作れても、情報そのものが正しいとは限りません。
特に「できます」「無料です」「○日までに届きます」「返金します」のような約束につながる表現は、根拠を確認してから使います。不明な時は、断定せず「確認のうえご連絡します」という案に直します。
3. 人が送る
最後に、送信先、宛名、件名、添付ファイル、CC・BCCを確認します。ChatGPTは下書き作成に使い、送信操作は人が行う。これだけでも、取り違えや意図しない送信を防ぎやすくなります。
問い合わせ返信を作る準備
返信を作り始める前に、ChatGPTへ渡す情報と渡さない情報を分けます。文章を整える前のこの準備が、品質と安全性を左右します。
入力前に伏せる情報
個人向けのChatGPTでは、設定により会話内容がモデル改善に利用される場合があります。必要に応じて設定画面の「データコントロール」で「Improve the model for everyone」をオフにできますが、それだけで社内ルールや契約上の取り扱いを代替できるわけではありません。OpenAIのData Controls FAQを確認しつつ、勤務先・取引先のルールを優先してください。
入力前には、次のような情報を削除・置き換えるのが基本です。
| そのまま入れない情報 | 置き換え例 |
|---|---|
| 氏名、住所、電話番号、メールアドレス | 「お客様A」「連絡先は省略」 |
| 注文番号、口座番号、カード情報 | 「注文番号は社内で確認済み」 |
| 未公開の価格表、契約書全文、社内パスワード | 「社内ルールにより詳細は省略」 |
| 健康・医療・法律・金融などのセンシティブな相談 | 担当窓口・専門家へ確認し、一般的な文章案だけに留める |
ChatGPT Business、Enterprise、APIでは、入力・出力は既定で学習に使われないとOpenAIは案内しています。ただし、利用中のプラン、権限、組織内ルール、連携先の設定は別に確認が必要です。プラン名だけで「どんな情報でも入力してよい」と判断しないでください。Businessのデータ管理に関する案内も参考になります。
返信ルールを先に決める
毎回ゼロから考えると、文章の調子や案内内容がばらつきます。まずは、次の項目を決めておきましょう。
- 誰に送るか:購入前の人、既存顧客、取引先、社内メンバー
- 返信の目的:回答、確認依頼、お詫び、案内、担当への引き継ぎ
- 使ってよい情報:公式サイト、確定した社内資料、担当者が確認した内容
- 使わない表現:根拠のない期限、返金・値引きの約束、断定、責任者名のなりすまし
- 迷った時の対応:「確認のうえ改めてご連絡します」とし、担当者へ回す
このルールを繰り返し使いたい場合は、ChatGPTのカスタム指示の使い方を参考に、文体や禁止表現だけを短く登録しておく方法もあります。
ChatGPTで問い合わせ返信を作る4ステップ
ここからは、実際に返信案を作る流れです。問い合わせ対応に慣れていない人でも、次の4ステップなら試しやすくなります。

1. 問い合わせを短く整理する
まず、相手が何を知りたいのかを1〜2文にまとめます。原文が長い時は、先に次のように依頼します。
出力は次の4項目だけにしてください。
1. 相手が知りたいこと
2. 現時点で分かっている事実
3. 確認が必要なこと
4. 返信で約束してはいけないこと
(ここに個人情報を伏せた問い合わせ内容を貼り付ける)
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ここで「確認が必要なこと」が出れば、すぐに返信案を送らず、先に社内資料や担当者へ確認できます。
2. 返信の目的と条件を伝える
次に、どんな返信にしたいかを伝えます。「丁寧に返して」だけでは、文章は整っても必要な内容が抜けることがあります。
| 伝える項目 | 例 |
|---|---|
| 相手 | 初めて問い合わせた個人のお客様 |
| 目的 | 質問に答えつつ、確認中の点は保留と伝える |
| 確定している事実 | 営業時間、公式ページのURL、確認済みの商品仕様 |
| 未確定の点 | 在庫、納期、個別の割引可否 |
| 文体 | やわらかく、簡潔に、専門用語を避ける |
3. 返信案を2〜3案出してもらう
1案だけでは、文章の長さや言い回しを比べにくくなります。短い案、標準の案、より丁寧な案のように、複数案を頼むと選びやすくなります。
【相手】初めて問い合わせたお客様
【目的】質問に回答し、未確認の在庫は確認後に連絡すると伝える
【確定している事実】営業時間は平日9:00〜17:00。商品仕様は公式ページに掲載済み。
【未確認の点】在庫数と発送予定日
【文体】丁寧でやわらかい日本語。200文字前後。
【守ること】未確認の在庫や発送日を断定しない。値引き・返金・契約に関する約束は書かない。
件名と本文を分け、
1. 簡潔な案
2. 標準の案
3. より丁寧な案
の順で出してください。
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ChatGPTが書いた文章の中に、元の情報にない内容が入っていないかを必ず確認します。「通常は」「多くの場合は」といった一見やわらかい表現にも、根拠があるかを見ましょう。
4. 送信前に確認する
返信案を選んだら、送信前に次の5点を確認してください。
- 宛名と送信先は正しいか
- 料金、日付、在庫、納期、URL、担当者名に誤りはないか
- 未確認のことを、確定事項のように書いていないか
- 個人情報、社外秘、他のお客様の情報が含まれていないか
- 添付ファイル、CC・BCC、返信先を間違えていないか
ここまで確認して初めて、人がメールや問い合わせフォームから送信します。ChatGPTの画面から直接送る前提にしないことが、初めて使う人には特に大切です。
そのまま使える返信文プロンプト
用途に合わせて、次の形をコピーして使えます。かっこ内だけを、自分の状況に合わせて書き換えてください。
質問への回答を作るプロンプト
あなたは問い合わせ返信の下書きを作るアシスタントです。
【相手】(例:購入前のお客様)
【問い合わせの要点】(ここに要点を書く)
【確定している事実】(ここに確認済みの情報を書く)
【確認中のこと】(ここに未確認の点を書く)
【文体】(例:丁寧でやわらかい。250文字以内)
守ること:不明な内容は推測しない。料金、納期、在庫、契約、返金を根拠なく断定しない。送信は行わず、件名と本文の下書きだけを出す。
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お詫びを含む返信を作るプロンプト
お詫びの文章では、事実が分からない段階で原因や責任を断定しないことが重要です。まず、何が起きたか、何を確認するか、いつ次の連絡をするかを整理します。
【起きたこと】(ここに確認済みの事実を書く)
【お詫びしたいこと】(例:返信に時間がかかったこと)
【これから行うこと】(例:担当者が内容を確認する)
【次の連絡の条件】(例:確認でき次第。期限が未確定なら断定しない)
【避けること】原因・補償・返金・再発防止を、確認前に約束しない。
相手を責めず、丁寧で短い文面にしてください。送信ではなく下書きとして出力してください。
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確認・追加情報をお願いするプロンプト
相手に追加情報をお願いする時は、何のために必要か、どこまで分かればよいかを明確にします。パスワード、カード番号、本人確認書類の画像など、受け取るべきでない情報を求めないようにしてください。
【確認したい目的】(ここに目的を書く)
【相手に教えてほしいこと】(必要最小限の項目だけを書く)
【すでに分かっていること】(ここに書く)
【注意】パスワード、カード番号、口座情報などの送付を求めない。個人情報を過度に求めない。
相手が次に何をすればよいか分かる、箇条書きを含む丁寧な下書きにしてください。
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問い合わせをFAQへ育てる方法
同じ質問が何度も届くなら、1件ずつの返信を繰り返すだけでなく、FAQにまとめるとお互いの負担を減らせます。FAQは「回答を増やすページ」ではなく、問い合わせる前に自分で解決できるようにする案内です。

頻出質問を集める
最初は、直近の問い合わせから10〜20件ほどを見て、同じ意味の質問をまとめます。この時も、氏名や注文番号などは削除します。
| 集める項目 | 例 |
|---|---|
| 質問の種類 | 送料、支払い、使い方、変更、キャンセル |
| 質問の言い方 | 「いつ届く?」「配送日を知りたい」 |
| 回答の根拠 | 公式サイト、最新の規約、確認済みの社内資料 |
| 更新のきっかけ | 料金変更、仕様変更、同じ質問が増えた時 |
ChatGPTに渡すのは、個別のやり取りではなく、匿名化した「質問の要点」と「確認済みの回答」です。過去の返信メールをそのまま大量に貼り付ける必要はありません。
FAQの型に整える
FAQは、質問文が曖昧だと検索や閲覧で見つけにくくなります。「〜できますか?」「〜はどこで確認できますか?」のように、読者が実際に入力・口にしそうな言葉を使いましょう。
回答は、最初の1文で結論を伝え、その後に条件・手順・注意点を続けると読みやすくなります。
質問:支払い方法を変更できますか?
回答:注文確定後の変更可否は、注文状況によって異なります。
手順:まず注文番号ではなく、注文時の氏名と問い合わせ内容を添えて窓口へ連絡してください。
注意:変更期限や条件は、最新の公式案内を確認してください。
この例のように、確認できない条件を断定せず、次に取る行動を示します。FAQを業務マニュアルや社内ナレッジにもつなげたい場合は、ChatGPTで業務マニュアルを作る方法が役立ちます。
公開前に見直す
FAQは一度作って終わりではありません。公開前と更新時に、次を確認します。
- 質問と回答が実際の制度・商品・サービスに合っているか
- 料金、期限、URL、画面名、連絡先が古くなっていないか
- 「必ず」「いつでも」「無料」など、例外がある断定をしていないか
- 読者が次にする行動を1つに絞れているか
- FAQだけで解決できない時の問い合わせ先が分かるか
FAQが増えたら、質問のカテゴリ、回答の責任者、最終更新日を管理すると見直しやすくなります。
そのまま使えるFAQ作成プロンプト
あなたはFAQ編集の下書きを作るアシスタントです。
【対象】(例:オンラインサービスの利用者)
【問い合わせメモ】
(ここに個人情報を除いた質問の要点を箇条書きで貼り付ける)
【回答の根拠】
(ここに公式サイト、最新規約、確認済みの社内資料の要点を書く)
出力形式:
1. FAQのカテゴリ案
2. よくある質問10件以内
3. 各回答は「結論 → 条件または手順 → 注意点」の順
4. 根拠が不足する項目は「公開前に確認が必要」と明記
守ること:資料にない条件を推測しない。料金・在庫・期限・契約・返金は、根拠がある場合だけ書く。個人情報や個別のお客様の事例は入れない。
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出力されたFAQは、そのまま公開せず、回答の根拠と最新性を確認してください。プロンプトの書き方を用途別に増やしたい場合は、ChatGPTプロンプト50選も参考になります。
ChatGPTを問い合わせ対応で使う注意点
個人情報・機密情報を必要以上に入れない
問い合わせの内容を整理するだけなら、相手を特定する情報は多くの場合必要ありません。名前、連絡先、注文番号、住所、社内の未公開情報を外してから使う習慣をつけましょう。
個人向けの利用では、設定により入力内容がモデル改善に使われる可能性があります。OpenAIは、個人向けサービスでは設定によって会話、画像、ファイルなどがモデル改善に利用される場合があると案内しています。入力内容を最小限にすることと、利用中のデータ設定・所属組織のルールを確認することをセットで行ってください。Consumer Servicesのデータ利用FAQも確認できます。
料金・在庫・期限・規約は必ず確認する
ChatGPTは自然な言葉で文章を補うため、もっともらしい数字や条件が混ざることがあります。特に次の情報は、必ず公式ページや最新の社内資料で確認してください。
- 商品・サービスの価格、送料、割引条件
- 在庫数、発送日、予約可能日
- キャンセル、返品、返金、保証の条件
- 契約内容、利用規約、個別の例外対応
- 医療、法律、金融、税務に関わる案内
確認できない場合は、「確認のうえご案内します」「担当者からご連絡します」とし、無理に回答を完成させない方が安全です。
医療・法律・金融・緊急対応は専門家や担当窓口へ
健康、法律、投資、保険、災害、事故など、誤った案内が大きな影響につながる内容では、ChatGPTは文章の下書きや質問整理に留めます。結論や個別の判断は、資格を持つ専門家、公式窓口、緊急連絡先へ確認してください。
よくある質問
ChatGPTに問い合わせメールを自動送信させてもよいですか?
初めての運用ではおすすめしません。まずは、ChatGPTで下書きを作り、人が事実・宛先・添付を確認して送る流れから始めてください。自動送信や外部連携には、誤送信対策、権限、個人情報、ログ、例外対応など別の設計が必要です。
過去の問い合わせメールをそのまま貼ってもよいですか?
そのまま貼るのではなく、氏名・連絡先・注文番号・個別の事情を除き、質問の要点と確認済みの回答に整理してから使ってください。所属組織のルールがある場合は、それを優先します。
FAQは何件から作ればよいですか?
最初は5〜10件で十分です。頻出の質問、回答に時間がかかる質問、公式ページで見つけにくい質問から始めましょう。増やしすぎるより、正しい情報を定期的に見直す方が重要です。
返信の文体を毎回そろえるには?
「相手」「目的」「文字数」「避ける表現」を毎回プロンプトに書くか、繰り返し使うルールだけをカスタム指示に登録します。文体だけを固定し、料金・納期などの事実は毎回確認する、と分けると安全です。
まとめ|ChatGPTは「返信の下書きとFAQ整理」に使う
ChatGPTは、問い合わせ対応を完全に代行するものではありません。しかし、質問を整理し、丁寧な返信案を作り、よくある質問をFAQにまとめる作業には役立ちます。
まずは、次の3点から始めてみてください。
- 問い合わせを匿名化し、要点だけをChatGPTに渡す
- 「下書き → 事実確認 → 人が送る」の順で返信する
- 同じ質問が増えたら、確認済みの回答だけでFAQのたたき台を作る
文章作成を速くするだけでなく、確認すべきことを見える化できれば、返信の品質もそろえやすくなります。


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