記事や社内資料で「ユーザー」と「利用者」、「Web」と「ウェブ」が混在すると、読者は小さな違和感を覚えます。複数人で文章を作る場合は、同じ言葉を別の意味で使う問題も起こりがちです。
ChatGPTを使えば、既存資料から用語候補を洗い出し、定義や使用例の下書きを短時間で作れます。ただし、AIが作った定義をそのまま正式ルールにしてはいけません。候補抽出と下書きはChatGPT、正しさの確認と承認は人という分担が安全です。
この記事では、初心者でも更新を続けられる用語集を5ステップで作ります。

ChatGPTで用語集を作ると何が変わる?
用語集は、難しい言葉の意味を並べるだけの一覧ではありません。文章を作る人が「どの表記を使うか」「どんな意味で使うか」を共有するルール表です。
用語集があると、次の作業がしやすくなります。
- 記事やマニュアルの表記をそろえる
- 新しい担当者へ専門用語を説明する
- 同じ略語を別の意味で使う事故を防ぐ
- 校正時に確認する基準を明確にする
- 古い名称や定義の更新漏れを見つける
文章全体の表記確認には、ChatGPTで文章校正ルールを作る方法も役立ちます。用語集は、その校正ルールのうち「言葉の選び方」を具体化するものです。
作成前に決める6つの項目
最初から項目を増やしすぎると、更新されない用語集になります。まずは次の6列で始めましょう。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 用語 | 読者や社内で使う言葉 |
| 定義 | この文書・組織での意味 |
| 推奨表記 | 実際に使う表記 |
| 使用例 | 正しい使い方が分かる短文 |
| 出典 | 確認した資料名・URL・ページ |
| 状態 | 候補、確認中、承認済み、要更新 |
ポイントは「出典」と「状態」です。ChatGPTがもっともらしい説明を出しても、出典がなければ正誤を確認できません。また、候補と承認済みを分けないと、未確認の定義が正式ルールとして使われる恐れがあります。
ChatGPTで用語集を作る5ステップ

1. 目的と対象資料を決める
まず、誰が何に使う用語集なのかを1文で決めます。
SkillForgeの記事制作で、AI初心者に同じ意味・表記で説明するための用語集
次に、用語を抽出する資料を選びます。最初は記事3〜5本、社内マニュアル1冊など、小さな範囲で十分です。個人情報や社外秘を含む資料は、利用環境のルールを確認せずに貼り付けないでください。
2. 用語候補を抽出する
資料をChatGPTへ渡し、専門用語、略語、商品名、表記が揺れている言葉を抽出します。この段階では、正しいかどうかを決めず「候補」を集めます。
候補が多い場合は、次の順で優先すると整理しやすくなります。
- 読者が意味を誤解しやすい言葉
- 表記が複数ある言葉
- 社内だけで使う略語
- 商品名・機能名など正確さが必要な言葉
3. 6列の表へ整理する
抽出した候補を、用語・定義・推奨表記・使用例・出典・状態の表へ整理します。ChatGPTには「不明な項目を推測で埋めない」と明示しましょう。
定義は辞書のように難しくせず、対象読者が1回で理解できる1〜2文にします。使用例は、正しい文脈が分かる短文にします。
4. 出典と原文で確認する
ここが最重要です。固有名詞や機能名は公式情報、社内用語は責任者や元資料と照合します。
- 定義が元資料の意味と一致しているか
- 推奨表記の大文字・小文字、全角・半角が正しいか
- 同じ用語に複数の意味がないか
- 使用例が誤解を招かないか
誤りが見つかったら、ChatGPTへ修正を頼む前に正しい根拠を提示します。AIに再推測させるのではなく、確認済み情報で直すことが大切です。
5. 承認・更新ルールを決める
確認済みの行だけを「承認済み」にします。さらに、用語集の上部に次の情報を残します。
- 管理者または確認担当
- 最終更新日
- 次回確認日
- 新しい用語の追加方法
- 古い用語を削除・変更する手順
商品名や機能名を含む場合は、月1回または記事更新時など、確認のタイミングも決めておきましょう。
そのまま使えるプロンプト
以下のプロンプトに対象資料を貼り付けて使えます。
あなたは編集担当者です。
以下の資料から、読者が意味を誤解しやすい専門用語、略語、固有名詞、表記ゆれの候補を抽出してください。
目的:AI初心者向けの記事で、意味と表記を統一する
対象読者:専門知識のない30〜50代
次の6列の表で出力してください。
1. 用語
2. 定義(初心者向けに1〜2文)
3. 推奨表記
4. 使用例
5. 出典(資料内の見出しや該当箇所)
6. 状態(すべて「候補」)
資料だけでは判断できない内容は推測せず、「要確認」と記載してください。
同じ意味の候補はまとめ、意味が異なる場合は行を分けてください。
対象資料:
(ここに資料を貼り付ける)
依頼文の組み立て方に迷う場合は、ChatGPTプロンプトテンプレート集も参照してください。
失敗しやすい点と直し方
用語を集めすぎる
一般的な言葉まで登録すると、必要な項目を探しにくくなります。「誤解しやすい」「表記が揺れる」「組織固有」のいずれにも当てはまらない言葉は外しましょう。
AIの定義を正解として扱う
ChatGPTは存在しない意味や古い説明を作ることがあります。必ず出典を確認し、確認できない行は「候補」または「要確認」のままにします。
似た用語を1行にまとめる
「アカウント削除」と「チャット削除」のように、似ていても結果が違う言葉は別の行にします。違いを定義へ明記すると、誤操作も防げます。
作って終わりにする
更新日と担当者がない用語集は、時間がたつほど信頼性が下がります。記事をリライトした時やサービス仕様が変わった時に、用語集も更新します。既存記事の改稿には、ChatGPTで記事をリライトする方法が参考になります。
用語集を文章作成に再利用する方法
承認済みの用語だけを抜き出し、文章作成時に次のように渡します。
以下の承認済み用語集に従って文章を作成してください。
用語集にない表記へ勝手に置き換えないでください。
判断できない場合は、本文を作る前に確認事項として示してください。
承認済み用語集:
(ここに承認済みの行だけを貼り付ける)
作成する文章:
(ここに目的・読者・内容を入力する)
毎回同じルールを使う場合は、ChatGPTのカスタム指示の使い方も選択肢です。ただし、長い用語集や頻繁に更新する情報は、元の管理表を正本にして必要な部分だけ渡す方が管理しやすくなります。
まとめ
ChatGPTは、用語候補の抽出と定義・使用例の下書きに向いています。一方、正式な意味や表記を決める役割は人に残します。
最初は「用語・定義・推奨表記・使用例・出典・状態」の6列で十分です。候補を集め、根拠を確認し、承認済みだけを文章作成へ再利用しましょう。更新日と担当者まで決めれば、用語集は単なる一覧ではなく、文章品質を支える実用的なルールになります。


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