企画書を作ろうと思っても、「何から書けばよいのか分からない」「アイデアはあるのに、相手に伝わる順番にできない」と止まりがちです。ChatGPTは、企画書の構成案や文章のたたき台を作る作業を助けてくれます。
ただし、ChatGPTが出した文章をそのまま提出するのはおすすめできません。企画書では、目的、事実、予算、実行できるかどうかを人が判断する必要があるからです。
この記事では、ChatGPTを「企画書を一緒に整理する下書き担当」として使い、白紙の状態から提出前の見直しまで進める方法を解説します。会社の小さな改善提案、イベント案、副業サービスの企画などに応用できます。
ChatGPTで企画書は作れる?結論は「たたき台づくり」に役立つ
ChatGPTにできるのは、情報を整理し、構成の候補を出し、伝わりやすい文章に整えることです。たとえば、箇条書きのメモから「背景・課題・提案・進め方」の順に並べ替えたり、上司向けに短く言い換えたりできます。
一方で、次のことをChatGPTだけに任せてはいけません。
- 社内の正しい数字、予算、納期を決めること
- 市場データや制度、競合情報が事実か確認すること
- 実施できる体制か、関係者が合意するかを判断すること
- 提案によって起こり得るリスクを最終的に引き受けること
企画書の目的は、きれいな文章を作ることではありません。「この企画を進める価値があるか」を相手が判断できるようにすることです。ChatGPTはその判断材料を整える役、人は根拠と意思決定を担う役、と分けると安全です。
企画書を作る前に決める4項目
いきなり「企画書を書いて」と頼むと、もっともらしい一般論になりやすくなります。まずは次の4項目をメモにしてください。文章でなく、箇条書きで十分です。
| 項目 | 考えること | 例 |
|---|---|---|
| 目的 | 何を変えたいか | 新人が生成AIを安全に使えるようにする |
| 相手 | 誰に読んで判断してもらうか | 部門長、人事担当、共同経営者 |
| 制約 | 使える予算・期間・人員 | 予算3万円、準備2週間、運営2人 |
| 決めてほしいこと | 相手に求める判断 | 勉強会の実施承認と会議室の確保 |
この4項目があると、ChatGPTは「誰の、何のための企画書か」を理解しやすくなります。条件が未定なら、未定のまま書き、ChatGPTに確認すべき質問を出してもらいましょう。曖昧な数字を埋めさせるより安全です。
企画書の基本構成は6つで考える

形式は会社や相手によって異なりますが、初心者は次の6つをそろえると、話の流れを作りやすくなります。
- 目的:この企画で実現したい状態
- 背景・課題:なぜ今それが必要か
- 提案内容:何を、誰に、どのように行うか
- 期待できる効果:何が改善する見込みか
- 実行計画:担当、期限、必要な費用・準備
- 依頼・次の行動:相手に何を承認・判断してほしいか
ここで大切なのは、課題から提案へ飛ばないことです。たとえば「生成AIの勉強会を開く」という案だけでは、必要性が伝わりません。「利用ルールが分からず、各自が不安なまま使っている」という課題を先に示し、その解決策として勉強会を置くと、相手が判断しやすくなります。
ChatGPTで企画書を作る5ステップ

1. まず材料を箇条書きで渡す
最初から完成文章を求めず、思いついていることを渡します。メモが散らかっていても問題ありません。
> 社内向けの生成AI勉強会を企画したいです。対象は営業部の10人。困っているのは、使いたい人はいるが、入力してよい情報や使い方が分からないことです。予算は3万円以内、実施は来月、所要時間は60分を想定しています。まず、不足している情報と確認すべき点を質問してください。
この依頼では、文章を書かせる前に不足条件を洗い出します。開催目的、扱うテーマ、講師、参加後にどうなってほしいかなど、後の構成に必要な材料が見えます。
2. 企画書の構成案を作る
材料がそろったら、見出しだけを作ります。いきなり本文まで作るより、方向違いを早く直せます。
> 以下の条件を基に、部門長へ提出するA4・1〜2ページの企画書構成を作ってください。見出しごとに、書くべき内容を箇条書きで示してください。事実が不足する箇所は「要確認」と明記し、推測の数値は入れないでください。
出てきた構成を見て、「目的が曖昧」「費用の説明が足りない」などを直します。構成の段階なら、書き直しの負担は小さく済みます。
3. 章ごとにたたき台を作る
構成が決まったら、章を一つずつ作ります。全部を一度に依頼すると、内容が薄くなったり、後半の条件が抜けたりするためです。
> 「背景・課題」の章を200字以内で書いてください。断定できない内容は書かず、次の事実だけを使ってください。[利用したい社員がいる/社内ルールの理解にばらつきがある/営業部10人が対象]。上司が読みやすい、落ち着いた文体にしてください。
同じように、提案内容、期待効果、実行計画を作ります。自社固有の数字や担当者名は、自分で確認してから入れます。
4. 根拠と実現性を人が確認する
ここがもっとも重要です。ChatGPTの文章が自然でも、企画が実現できるとは限りません。次の項目を一次情報や関係者への確認で見直してください。
- 予算、人数、日程、担当者は正しいか
- 「工数が減る」「売上が上がる」などの効果に根拠があるか
- すでに同じ取り組みやルールがないか
- 誰が何をするのか、抜けている作業はないか
- 個人情報・顧客情報・社外秘を入力していないか
市場規模、事例、制度などを根拠に使うなら、検索結果の要約だけで済ませず、一次情報を確認します。調査が必要な場合は、ChatGPT Deep Researchの使い方も参考にしてください。
5. 相手に合わせて短く整える
最後に、読む人が知りたい順番に直します。部門長には目的・費用・判断してほしいことを先に、現場メンバーには手順・担当・スケジュールを具体的に示す、といった調整が有効です。
> 次の企画書を、部門長が3分で判断できる文章に整えてください。結論を先に置き、重複を削り、専門用語には短い補足を付けてください。新しい事実や数字は追加せず、変更した箇所と理由も最後に示してください。
「変更した箇所と理由」を求めると、どこが変わったかを確認できます。提案の中身を自分で把握したまま、文章だけを磨けます。
そのまま使える企画書作成プロンプト3選
1. 構成を作るプロンプト
あなたは企画書づくりの補助役です。
次の条件を基に、[読み手]に提出する企画書の構成案を作ってください。
目的:[実現したいこと]
背景・課題:[困っていること]
提案:[行いたいこと]
制約:[予算・期間・人員など]
決めてほしいこと:[承認・協力・予算など]
見出しごとに、書くべき内容を箇条書きで示してください。
情報が足りない箇所は推測せず、「要確認」としてください。
2. たたき台を作るプロンプト
以下の構成のうち「[章の名前]」だけを、[文字数]字程度で書いてください。
読み手は[相手]です。
使ってよい事実:
・[事実1]
・[事実2]
・[事実3]
新しい数字・事例・効果を作らないでください。
断定が強すぎる表現は避け、確認が必要な箇所は[要確認]と表示してください。
3. 提出前に改善するプロンプト
次の企画書を確認してください。
1. 目的と、決めてほしいことが明確か
2. 背景・課題から提案へのつながりが自然か
3. 根拠がない数字や断定がないか
4. 実行担当・期限・費用の抜けがないか
5. 読み手が3分で結論を把握できるか
問題点を優先順位順に示し、修正案を出してください。
本文にない事実は追加しないでください。
プロンプトは一度で完璧にするものではありません。出力を見て「対象は新人だけにしてください」「費用の話を先にしてください」のように追加指示を出すと、精度が上がります。指示の基本はChatGPTプロンプト50選でも紹介しています。
企画書の質を上げる改善依頼
ChatGPTは、書き終えた後の見直しにも向いています。次のように、目的を絞って依頼してください。
| 改善したいこと | 依頼例 |
|---|---|
| 長い文章を短くする | 「意味を変えずに30%短くし、削った内容を示してください」 |
| 読み手に合わせる | 「専門知識がない役員向けに、用語へ補足を付けてください」 |
| 反対意見を考える | 「この企画に対する懸念を5つ出し、それぞれへの回答案を作ってください」 |
| 伝わる順序に直す | 「結論、理由、実行方法、依頼の順に並べ替えてください」 |
反対意見を考える依頼は、企画の弱点を探すために役立ちます。ただし、回答案をそのまま採用せず、実際に答えられる内容かを確認しましょう。
よくある失敗と注意点

もっともらしい数字をそのまま使う
ChatGPTが出す「30%削減」「売上が向上」といった数字は、根拠がなければ企画書に使えません。自社データ、試行結果、信頼できる公表資料などで裏付けられない場合は、数字を削るか「見込まれる効果」として検証方法を示します。
機密情報をそのまま入力する
顧客名、契約内容、未公開の売上、個人情報などは入力しないでください。企画の相談では、固有名詞を「取引先A」「商品X」に置き換えても構成づくりはできます。組織で利用する場合は、自社のAI利用ルールも確認しましょう。
企画書とプレゼン資料を同時に作ろうとする
企画書は判断材料を整理する文書、プレゼン資料は説明時に見せる資料です。まず企画書で内容を固め、その後に必要ならChatGPTでプレゼン資料を作る方法でスライドへ展開すると、手戻りを減らせます。
ChatGPTの回答をコピーして終える
最後に、自分の言葉で説明できるかを確認してください。説明できない部分は、根拠が不足しているか、企画の意図がまだ固まっていない可能性があります。文章を整える作業にはChatGPTの要約・リライトも役立ちます。
よくある質問
ChatGPTで作った企画書をそのまま提出してもよいですか?
おすすめしません。文章のたたき台として使い、目的、数字、根拠、実行体制、社内ルールを人が確認してから提出してください。
企画のアイデアが何もない時も使えますか?
使えます。「解決したい困りごと」「対象者」「制約」を伝え、複数案と、それぞれのメリット・懸念点を出してもらいましょう。最初から一案に絞らず、比較して選ぶ方が判断しやすくなります。
無料版でも企画書づくりに使えますか?
基本的な構成作成や文章のたたき台づくりには使えます。ただし、利用できる機能や回数は変わることがあります。プランの違いを確認したい場合は、ChatGPTの料金プランを確認してください。
まとめ:AIと人の役割を分ければ、企画書づくりは進めやすい
ChatGPTは、企画書の白紙を埋めるための便利な補助役です。まず目的・相手・制約・決めてほしいことを整理し、構成、章ごとのたたき台、根拠確認、提出用の見直しという順に進めましょう。
AIに任せるのは整理と文章化、人が担うのは事実確認と最終判断です。この役割分担を守れば、企画書づくりの時間を減らしながら、内容への責任も保てます。継続して企画の資料や会話をまとめたい場合は、ChatGPT Projectsの使い方も活用してみてください。


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