ChatGPTでカスタマージャーニーを作る方法|仮説と事実を分ける質問例

ChatGPT

「お客さまが、商品を知ってから購入・利用するまでの流れを整理したい。でも、何を表にすればよいか分からない」と悩んでいませんか。

ChatGPTは、顧客の行動を段階に分け、接点や悩みを表へ整理する作業に役立ちます。ただし、ChatGPTが想像した感情や行動は、実際のお客さまの事実ではありません。

大切なのは、目的を決める→材料を集める→マップを作る→根拠を分ける→一つ改善するの順に進めることです。この記事では、AI初心者でも試せる質問例と確認方法を紹介します。

顧客像がまだ曖昧な場合は、先にChatGPTでペルソナを作る方法で、確認できた事実と仮説を分けてください。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを知り、比較し、購入・利用し、継続するまでの体験を時系列で整理する考え方です。それを表や図にしたものをカスタマージャーニーマップと呼びます。

基本は、横方向に「認知・情報収集・比較・購入・利用・継続」などの段階を置き、縦方向に次の項目を並べます。

項目 確認すること 例
行動 顧客が実際にすること 検索する、口コミを見る、試す
接点 どこで情報や商品に触れるか 検索、SNS、記事、店舗、メール
疑問・悩み 次へ進むのを妨げること 違いが分からない、料金が不安
必要な情報 判断のために知りたいこと 比較条件、手順、利用例
根拠 何をもとに書いたか アンケート、アクセス解析、仮説

「感情」も加えられますが、本人に確認していない気持ちは仮説です。もっともらしい文章でも、根拠のない感情を事実として扱わないでください。

作る前に用意する4つの材料

1. マップを作る目的

「サイトを良くしたい」では広すぎます。「初めて訪れた人が比較記事へ進めない理由を見つける」「購入後に使い方で迷う場所を見つける」のように、対象の場面を一つに絞ります。

2. 対象とする顧客像

年齢や職業だけでなく、「何をしたくて、どこで困っている人か」を一文にします。複数の顧客像を一枚に混ぜると、行動が曖昧になります。

3. 確認できた情報

問い合わせ、アンケート、アクセス解析、検索語、購入前後の質問、接客メモなどを集めます。氏名、連絡先、注文番号などの個人情報は削除し、社内ルールに従って扱います。

4. 今回は分からないこと

情報がない項目は空欄または「要確認」にします。AIに埋めさせて完成したように見せるより、調べるべき場所を残す方が実用的です。

ChatGPTで作る5ステップ

ChatGPTでカスタマージャーニーを作る5ステップ

1. 目的と顧客像を一つに絞る

「誰の、どの場面を改善したいか」を伝えます。商品が複数ある場合も、最初は一商品・一顧客像に絞ると確認しやすくなります。

2. 顧客側の行動で段階を作る

自社の「広告出稿→商談→受注」ではなく、顧客の「悩みに気づく→調べる→比べる→試す→使い続ける」のように置きます。段階は3〜6個程度から始めれば十分です。

3. 行動・接点・疑問を表にする

各段階で、顧客がすること、触れる場所、迷うこと、必要な情報を短く書きます。一つのマスに長文を詰めず、確認できる単位に分けます。

4. 根拠ラベルを付ける

各項目へ次のラベルを付けます。

  • 事実:アンケート、ログ、問い合わせなどで確認できた
  • 仮説:担当者の経験や推測をもとにしている
  • 要確認:判断材料が不足している

この区別が、ChatGPTのもっともらしい推測を事実と混同しないための重要な工程です。

5. 一つだけ改善して反応を見る

マップを完成させることがゴールではありません。影響が大きく、少ない負担で確認できる改善を一つ選びます。たとえば、比較条件が分からない人が多いなら、比較表を追加し、その後のクリックや問い合わせを確認します。

数値で振り返る場合は、ChatGPTでKPIを設定・振り返る方法も参考になります。

そのまま使える基本プロンプト

次の文章をコピーし、かっこの中を自分の情報に置き換えてください。

あなたは、顧客体験を整理する補助者です。
次の情報だけを使って、初心者向けのカスタマージャーニー案を作ってください。

目的:(ここに改善したい場面を書く)
対象の顧客:(ここに顧客の状況と目的を書く)
対象の商品・サービス:(ここに対象を書く)
確認できた情報:(匿名化した問い合わせ・アンケート・ログなどを貼る)
分からないこと:(ここに未確認事項を書く)

1. 顧客側の行動で3〜6段階に分けてください。
2. 各段階を「行動、接点、疑問・悩み、必要な情報」の表にしてください。
3. 各項目に「事実・仮説・要確認」のいずれかを付けてください。
4. 入力にない人物の感情・数字・出来事を事実として追加しないでください。
5. 最後に、影響が大きく確認しやすい改善候補を3つ出してください。

出力後は、次の質問で絞り込みます。

改善候補を「読者への影響」「実施の手間」「結果の確認しやすさ」の3項目で比較してください。
推測は推測と明記し、最初に試す一案を選んでください。
実施後に確認する指標と期間も提案してください。

シンプルな完成例

例として「AI初心者向けブログで、読者が学習記事から次の記事へ進みやすくする」という目的を考えます。

段階 行動・接点 疑問 根拠 小さな改善
認知 検索結果で記事を見る 自分にも使えるか 検索語・表示回数=事実 タイトルで対象者を明示
理解 基本記事を読む 次に何を試すか ページ閲覧=事実、心理=仮説 手順の直後に関連記事を置く
比較 複数記事を行き来する 違いと選び方は何か 回遊データ=要確認 比較表を一つ追加
実行 質問例をコピーする 結果をどう確認するか 利用状況=要確認 公開前チェックを追加

一つのセルでも、事実と仮説が混ざることがあります。「閲覧した」はログで確認できても、「不安だった」は本人へ聞かなければ仮説です。

競合との違いも材料にする場合は、ChatGPTで競合分析する方法で比較項目と出典をそろえてください。

よくある失敗と直し方

AIだけで顧客の感情を埋める

文章が自然でも、実在する顧客の声とは限りません。根拠ラベルを付け、重要な仮説はアンケート、問い合わせ、行動データなどで確認します。

段階を細かくし過ぎる

最初から十数段階にすると、確認する項目が増え、使われない表になりがちです。まず3〜6段階で大きな流れを作り、必要な部分だけ分けます。

自社がしたいことを顧客の行動として書く

「メールを送る」「商品を提案する」は企業側の行動です。「比較条件を調べる」「不明点を質問する」のように顧客側の動詞へ直します。

改善案を一度に実行する

複数の変更を同時に行うと、何が影響したのか分かりません。最初は一つだけ試し、期間と確認指標を決めて記録します。

仮説と事実を分けて一つの改善につなげる方法

共有前チェックリスト

  • 誰の、どの場面を扱うマップか一文で説明できる
  • 段階が企業側ではなく顧客側の行動になっている
  • 行動、接点、疑問、必要な情報が短く整理されている
  • 個人情報や社外秘を削除している
  • 各項目に事実・仮説・要確認の区別がある
  • AIが作った感情や数字を事実として扱っていない
  • 最初に試す改善を一つに絞っている
  • 結果を確認する指標と期間を決めている

マップからWebページの構成へ進む場合は、ChatGPTでランディングページの構成を作る方法が役立ちます。

まとめ

ChatGPTは、カスタマージャーニーの段階や項目を表へ整理する補助に向いています。しかし、顧客の行動や感情を自動的に事実へ変えることはできません。

目的と顧客像を絞り、顧客側の段階を作り、行動・接点・疑問を整理し、根拠ラベルを付け、一つだけ改善する。この順で進めれば、見栄えのよい表で終わらず、顧客体験の改善に使えるマップになります。

参考:Salesforce「カスタマージャーニーとは?」、Salesforce「カスタマージャーニー分析とは?」、OpenAI「Prompt engineering best practices for ChatGPT」

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